
家相について/ Physiognomy of a House
家相とは?
家相は、家の形(主に張り欠け)、
方位(360度を八分割した八方位、
さらに一つの方位を三分割した二十四方位)、
周囲の環境を見る地相などを基本に吉凶を判断します。
中国風水では、家相は陽宅と言い、
奇門遁甲という方位の術にも奇門家相があります。
これと分けて日本式家相と呼ぶ場合もあります。
日本式家相のほうは、気学という運命学の応用としての気学家相があり、八方位に易の八卦の意味を当てはめて、間取りを見て、張り欠けや鬼門、裏鬼門など重視する見方です。
その他、採光や通気はもちろん、庭の樹木、倉庫、物置井戸なども論じます。
二十四分割して、干支を配置した二十四山方位(暦の二十四節気に対応)の方位盤を用いて細かく吉凶をみることも多いようです。
家相には、いろいろな流派や考え方があるので、ここではごく一般的な説明止めております。実際の鑑定では、より詳しく状況を伺いますので、通常の鑑定内容とは違った方法を採らせて戴く場合がございます。

家相の歴史
- 中国から風水とともに伝来し、日本の神仏習合思想の影響を受けて独自の発展を遂げて現在に至る。
- 平安時代中期頃から、災害や病気を神の祟りとして恐れる考えが広まり、陰陽師が使う魔術的な意味合いもあった。
- 平城京・平安京も風水や家相の基礎知識が使われている。
- 鎌倉時代前期に「陰陽道旧記抄」が著され、家相の原点となる考えが記され学問や呪術的な広がりを持つこととなった。
- 家相は、当時の建築基準法のようなもので、江戸時代の敷地・建築様式・生活習慣に合わせて、家を建てる時の注意点を指針していました。
- 家相は、生活を快適にするためのヒントの一つとして考えることができます。
- 江戸時代、特に天明から寛政にかけて庶民向けの家相書が急増した。
- 明治時代に政府により家相が禁止され、大正時代から昭和初期にかけて批判的な運動が続いたこともある。
- 明治維新以降、神仏分離令が発動され、占いや家相も禁止されました。
- しかし、庶民の間では根強く生きており、江戸時代まで権勢を揮っていた土御門家に対する反発が大きくなりました。
- 自宅を自由に設計できる時代となった現代、家相は個人的な吉凶の方法として利用される事の方が多くなってきています。

家相と風水
家相と風水の関係
切っても切り離せない関係性として、家相と風水(ふうすい)があります。家相と風水は、どちらも住まいの吉凶を判断する考え方ですが、その起源や考え方、重視する点などが異なります。
- 【家相】
-
日本で独自に発展した考え方で、方位や間取り、換気、仕様などについて吉凶を判断します。
日々の生活体験から生まれた統計学とされており、その家に住むことでどのような生活になるのかを考えます。
家相では、特にトイレ・お風呂・キッチンなどの水回りの位置と家の形状が重要視されます。
東・東南・西北が家相として良い方位とされており、鬼門・裏鬼門を避けたほうがよいとされています。 - 【風水】
-
中国で発展した環境哲学で、土地の良し悪しを判断する考え方です。
日本では住宅事情の違いもあり、個人の部屋の中を色彩や物を置く方角などを用いて吉凶を判断する独自の風水学を発展させてきました。
地勢や気候などの自然のエネルギーを活かして、その土地で暮らす人の運気向上を目指します。
風水では、家の方角に特定の意味や運気が関連付けられています。
東や南東、南の方位は家族の絆を強めて健康的な生活をサポートするとされています。
家相と風水は、どちらも「今」をよくする考え方として、家づくりの際に参考にすることができます。

日本と中国での考え方の違い
中国と日本の家相には、方位に関する考え方の違いや、間取りの構成要素の違いなどがあります。
- 【方位に関する考え方】
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日本の家相では、各方位に相が決まっている(東は良い方位、東北は悪い方位など)
中国の風水では、各方位に良い意味と悪い意味の両方が存在する。 - 【間取りの構成要素】
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日本の家相では、畳を敷き詰めた和様式の部屋の形状に対応している。
中国の風水では、椅子座文化や寝台文化の影響で、畳の部屋は存在しない。 - 【その他の違い】
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日本の家相では、「水」「火」「不浄」を重視している。
日本の家相では、住宅に関する禁忌の概念をベースに再構成されており、日本独自の家相が完成した。 - 【三所に三備を設けず】
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家相を考えるうえでは、「鬼門・裏鬼門に三備を設けず」という言葉があります。この「三備」とは、「玄関」「台所」「トイレ」を指します。
鬼門や裏鬼門は不吉な方角とされており、これらの方角に水回りを配置すると運気が下がると考えられているためです。
また、鬼門や裏鬼門上は「気の流れが乱れやすい場所」と信じられており、水を流したり、火を使ったりすることで、より気の流れを乱しやすいと考えられています。
家相では、家の形が複雑であるのは凶相とされています。中心に玄関や水まわりを設けると建物の形が凸凹になりやすいことから、避けるべきと考えられています。

【 家 相 】
古来より受け継がれし家相の神秘。
見えざる気の流れを読み解き、運命を変える力を秘めた空間設計。
あなたの人生を豊かに彩る、神秘の叡智を今、解き明かします。
家相の使者